最近、ベビー・子ども用品専門店「バースデイ」が発売したTシャツが大炎上し、世間を賑わせています。このデザインには「パパはいつも寝てる」「パパは全然面倒みてくれない」などという文字が大きくプリントされており、父親の育児参加を軽視するメッセージとして受け取られ、多くの批判が集まりました。時代と逆行するステレオタイプを助長するこの商品に対し、SNSでは「父親を貶める表現が時代錯誤だ」との声が多く寄せられ、企業としての責任や商品開発における配慮の必要性が問われています。
マーケティングの現場にいる私としても、非常に考えさせられる事案です。
「パパはいつも寝てる」デザインが大炎上!炎上の理由と影響
「パパはいつも寝てる」Tシャツ、何が問題視されたのか?
「パパはいつも寝てる」といったデザインのTシャツが物議を醸した背景には、育児における父親の役割を貶める表現があることが指摘されています。このTシャツには「ママはいつも頑張っている」のに「パパは役立たずだ」といったステレオタイプを助長するようなメッセージが込められており、父親に対する不当な偏見を生む恐れがあると批判されました。社会全体で男性の育児参加が促進されている現代において、こうしたデザインは時代錯誤だと問題視されました。
メディアとSNSの反応:議論の拡大と問題の本質
メディアとSNSでは、この「パパはいつも寝てる」Tシャツを巡って激しい議論が展開されました。特にSNSでは、父親を貶めるような表現に対して多くのユーザーから投稿がありました。
衣料品大手チェーン「しまむら」グループのベビー・子供用品専門店「バースデイ」が、7月29日に発売した商品をめぐって議論が過熱している──。 【写真アリ】「パパはいつも寝てる」とプリントされたTシャツ 問題視されたのは、現代美術作家・加賀美健氏とのコラボによる新商品だ。同社は2023年から加賀美氏とタッグを組んだ商品を販売しており、28日に《加賀美健さんの新作アイテムのご紹介です。今回はいつものフレーズシリーズに加え小さな子供の言い間違えシリーズなどなど新しいデザインが盛り沢山》と、公式Xで告知していた。 「ベビー・子ども用のTシャツや靴下、ヘアバンドにプリントされた文字が、物議をかもしています。『パパはいつも寝てる』『パパは全然面倒みてくれない』『パパはいつも帰り遅い』といったフレーズが、ステレオタイプな“父親ディスり”ではないかと、とくに育児に積極的に携わる“イクメン”男性たちの反感を買ったようです。 『ママがいい』『パパママいつもありがとう』などのフレーズがプリントされた商品もあり、親たちがほっこりするユーモラスな効果を狙ったんでしょうが、いかんせん、時代に逆行した印象を与えてしまったようです」(育児雑誌編集者) バースデイは29日、公式Xで次のように謝罪。
引用:yahooニュース
「パパ」貶しデザインはなぜ問題?
「パパは全然面倒みてくれない」というメッセージが含まれたデザインが問題視されるのは、育児における父親の役割を軽視し、固定観念を助長する恐れがあるためです。伝統的な性別役割に基づくステレオタイプは、家庭内での父親と母親の役割を不平等に扱うことに繋がりやすく、特に男性の育児参加が重視される現代においては不適切とされています。このような表現は、父親が育児に参加することを否定的に描写し、結果的に男女平等な家庭環境の構築を妨げる要因となる可能性があります。
「パパはいつも寝てる」Tシャツなどの販売中止までの経緯
謝罪文と今後の対応策:バースデイが示した顧客へのメッセージ
バースデイは、今回の騒動に対して迅速な対応を見せました。公式SNSを通じて、「ご不快な思いをさせてしまう表現がありましたこと、深くお詫び申し上げます。」と謝罪の意を表明し、販売中止の決定を発表しました。この謝罪文では、顧客視点に立った商品企画の重要性を再認識し、今後の改善策として顧客の声を反映するプロセスを強化すると述べています。また、今回の事例を踏まえ、商品開発においては多様な視点を取り入れ、ステレオタイプを排除するための取り組みを進めることが明言されています。バースデイの対応は、企業としての責任を果たすだけでなく、顧客との信頼関係を築くための重要なステップとして評価されました。こうした迅速な対応が、ブランドの信頼を回復するためは必要ですね。
企業が抱える炎上リスク:今回のケースから学ぶこと
企業が炎上リスクを抱える中で、今回のバースデイのケースは多くの教訓を提供します。まず、消費者の声を真摯に受け止め、迅速に対応することが重要です。特に、SNSの普及によって、情報の拡散速度が格段に速くなっている現代においては、対応の遅れがさらなる批判を招く可能性があります。また、商品開発においては、多様な視点を取り入れることが求められます。特定のステレオタイプや偏見に基づくデザインは、社会的な反感を買うリスクを伴うため、商品の企画段階から幅広い視点を持つことが重要です。企業は、消費者の意見を反映し、時代の変化に対応した商品作りを進めることで、顧客との信頼関係を築くことができます。今回の事例から学んだ教訓を活かし、今後の企業活動において、より一層の注意と配慮が求められるでしょう。